本投稿では厚生労働省コロナ事務局が8月31日までに報告した、7月1日~8月21日までの新規陽性者数について接種・未接種の感染率の観点から分析する。
以下が今週提出された資料である。
未接種、接種別の新規陽性者、各母数、10万人あたりの陽性者数が記載されている。
ここで注目すべきは赤枠部分である。なぜか90歳以上の未接種は「-」となっている。全員が打っているわけはない。他方この世から未接種90代が消滅したというわけではないだろう。これには事情がある。
今回の資料が「数値なし」となった経緯は過去の資料をみればわかる。
以下は最後に90代未接種の母数が記載された時の提出資料である。
ご覧のとおり、90代未接種者の母数は「2913人」と記載されている。
1週間の感染者は120人。仮に2ヵ月経過すれば約1000人、即ち総人口の30%が短い時間で感染したということになる。
コロナに感染した者全員がPCR検査を受けるわけでもないし、全国津々浦々に点在する高齢者が同時多発的にコロナに感染することは考えられない。そして、そのような事象はニュースを見る限り確認されていない。即ち、少なくとも厚労省ADBの扱う90代未接種者は現実と辻褄があっていなかった(合っていない)ということだ。
少し前からインターネット上でも指摘されていたこともあり、厚労省の役人が「数字自体を表示しない」という強硬手段に出たということだろう。
さて、本題に戻る。今回は4月11日~6月19日の間に、厚労省コロナ事務局が提出したワクチン感染率(※厚労省の資料では10万人あたりの陽性者と表現)について検証していく。
前述の報告資料に加え、以下のURLから4月11日~6月19日までの接種別の感染者数を確認した。000940730.pdf (mhlw.go.jp)
これらを足して、平均値を算出し累積の感染率を記載したのが下の資料である。
【新規感染者数厚労省ADB分析:7月1日~8月21日、640万人分】
計算式は以下のとおり。
感染率=感染者数(6回分の発表資料の数値の和の平均)/接種別母数(6回分の発表資料の平均)(%)
(※件の90代未接種の感染率は、今週分は「-」と表示されたので最終発表分の未接種者数を踏襲している。)
ここから感染予防有効率を導出しグラフ化した。
(結果)
80代以上の数値が不自然に高く、全般的に疎ら。特に90代未接種の総人口の18%が1カ月で感染という異常値であったこともあり、予防有効率も極端に上昇。
(原因推定)
・改竄の影響
・未接種の母数が「令和3年(1年以上前)の住民基本台帳の数字であり現在の人口と異なる。
アドバイザリーボードの使用している各年代の人口の母数は(多少の誤差はあるものの)比較する限り、どうやら令和3年1月の数値を使用している。つまり、現在の人口と17カ月程の誤差がある。
【新規感染者数厚労省ADB分析(令和4年7・8月人口換算):7月1日~8月21日、640万人分】
以下、令和3年度の住民基本台帳の母数を令和4年7月・8月のものに変更した数値である。
図では厚労省ADBの計算と同様、未接種の母数=各年代の全体の母数-(2回目接種回数+3回目接種回数)となっている。
1年6月が経過して、各年代別の人数が増減していることがわかる。
ここで注目すべきは、90代以上の未接種者の母数が約3000人だったのが20万人に増加していることだ。それだけ従来の発表値と比較して90代の未接種の人数が増えたということを意味する。
最新の人口で計算した感染予防有効率の結果をグラフにすると以下のとおりとなった。
全般的に悪化している。また、これまで異常なほど数値の高かった8・90代の数値も是正された。やはり人口動態の変化の影響を大きく受けていたようだ。
そもそも人口動態が間違っていれば冒頭に述べた未接種90代のような異常な数字が出てしまうということなのだろう。
いずれにしてもこの時点で2回目接種の10代以外、3回目接種の60代、70代、90代以上の感染率は逆転している。
【総括】
厚労省コロナ事務局提出の新規感染者のデータを以下のとおり整理。
〇未接種者の母数を元資料の令和3年度(1年以上前のもの)から7・8月現在の年代別人口に換算
・2回目接種の感染予防効果の多くが逆転
・3回目も一部世代逆転
冒頭、「90代未接種の母数を消した」ことについて言及したが原因は1年間以上前の人口で計算しているからである。
普通の感覚であれば
「なら最新の人口で計算すればいい」となるが、2回目接種の感染率が明らかに逆転してしまう。そうなれば政権がこれまで説明してきた「感染予防効果はある」を根本的に覆すデータになり、流石に多くが気づく。倒閣運動につながるだろう。
これを避けるためには都合が悪くなったデータは「表示しない」とするのが最も安全で責任を逃れうるオプションだ。
また、「接種暦不明」についても嘘はついていない。説明に矛盾や偽証が発覚した時の様々な逃げ道も準備してあるのだろう。
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