政府は20日、自衛隊の装備のあり方や予算規模、財源などを議論する「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の第2回会合を首相官邸で開いた。岸田首相は、防衛力強化に資する研究開発や公共インフラ(社会基盤)整備を促進するため、関連予算を防衛関係費に含める仕組みを検討するように関係省庁に指示した。
岸田総理はバイデン大統領との日米首脳会談でも防衛費GDP2%を念頭に「防衛力を抜本的に強化」について言及していたがこれは驚きである。
そもそも、過去の検討において「海上保安庁の費用を防衛費に含める」というのにも驚いたが、今回のは次元が違う。
研究費や公共インフラ整備の費用を防衛費に含めるということは即ち、文部科学省の持っている研究予算や国交省の道路・空港・港湾整備、経産省や総務省の通信・電力インフラ整備を防衛関係費に含めるということである。
どこまでを「防衛関係」とするかは定かではないが、国の安全保障に関わるインフラということであれば空港・港湾、通信網や発電所など多くの重要インフラが対象になり得る。
インフラに整備費用は莫大だ。数兆円であれば直ぐに消費される。
この一部でも防衛関係費に含まれてしまえば年10兆円規模を目指していた実質の防衛費はこれまでとほとんど変わらないものとなるだろう。
目下、ドル円は150円を超え装備品の購入にも円安分が付加される。
防衛費増額を巡ってはこれまで以上に厳しい状況に陥るのではないかと危惧する。
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