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衆議院議員 高市早苗君の通信簿

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プロフィール

(以下、ウキペディア引用)

高市 早苗(髙市 早苗[3]、たかいち さなえ、1961年〈昭和36年〉3月7日[1] - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(9期)、自由民主党政務調査会長(第60代)。


総務大臣(第18代・第19代・第23代)、内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度担当)、衆議院議院運営委員長、自由民主党政務調査会長(第55代)、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、少子化・男女共同参画、食品安全、イノベーション担当)を歴任した。


来歴

出身・学生時代

奈良県出身。父親はトヨタ系列の自動車会社勤務、母親は奈良県警察勤務という共働き家庭に育った[4][5]。


奈良県立畝傍高等学校を卒業[6][7][8]。神戸大学経営学部経営学科へ進学[9]。専攻は経営数学[7]。


大学生時代は軽音楽部に所属し、ヘヴィメタルバンドでドラムを担当[10]。


政界入りまで

松下政経塾

1984年(昭和59年)、大学卒業後に松下政経塾に入塾した(第5期生)[1][11]。


渡米

1987年、アメリカ合衆国(米国)へ渡った。米民主党下院議員のパトリシア・シュローダー(英語版)[注釈 1]の個人事務所で、Congressional Fellow[注釈 2][12]として勤務し[7]、議員立法のための調査や分析を行った[13]。


なお、この米国での勤務については後に議論があった。詳細は後述。


帰国後

1989年(平成元年)に日本に帰国し、松下政経塾を卒塾して[11]亜細亜大学系列の日本経済短期大学(のち亜細亜大学短期大学部)助手に就任。


1990年(平成2年)には、フジテレビ系列の朝の情報番組「朝だ!どうなる?」のメインキャスターを務めた。


1992年(平成4年)第16回参議院議員通常選挙に奈良県選挙区から無所属として出馬したが、落選。


政界へ

初当選

1993年(平成5年)、第40回衆議院議員総選挙に奈良県全県区から無所属で出馬し、得票数トップで初当選。


新進党へ参加

1994年(平成6年)、政策集団「リベラルズ」に参加。リベラルズを母体に自由党(柿澤自由党)が結党され、党首の柿澤弘治が同年4月に羽田内閣で外務大臣に就任したため、与党の一員となった。同年7月、自由党は自由改革連合(自民党を離党した海部俊樹を代表とした)に参加し、さらに同年末に新進党に合流。


1996年(平成8年)の第41回衆議院議員総選挙では、小選挙区比例代表並立制導入に伴い、奈良1区から新進党公認で出馬し、2選。


自民党へ移籍

同年11月に新進党を離党し自由民主党(自民党)に入党。新進党を離党した理由としては、「総選挙前、新進党の税制調査会で徹底的に議論した上で『大規模な減税は不可能』という結論を出したにもかかわらず、新進党党首の小沢一郎が総選挙の公示日に突然、十八兆円の大規模減税策を公約に掲げたこと」を挙げた[14]。


自民党入党後は清和政策研究会(三塚博派→森喜朗派)[注釈 3]に所属(のち派閥離脱)[15]。


通商産業政務次官に就任

1998年(平成10年)7月、小渕内閣で通商産業政務次官に就任[11]。


森喜朗首相への支援

2000年(平成12年)の第42回衆議院議員総選挙では比例近畿ブロック単独で出馬し、3選[11]。


当選後の同年7月11日より、首相の森喜朗を支援する「勝手補佐官」を自称し、同じく自民党国会議員の下村博文、世耕弘成、山本一太と共に活動した[16]。


経済産業副大臣に就任

2002年(平成14年)、第1次小泉改造内閣で経済産業副大臣に就任[11]。


また、自民党による一般向けの政治講座「きょうと青年政治大学校」の講師として「日本経済の再生」について演説した[17]。


落選と復帰

結婚と大学教授就任

2003年(平成15年)の第43回衆議院議員総選挙では、奈良1区で民主党の馬淵澄夫に敗れ、比例代表での復活当選もならず落選した。2004年(平成16年)、秘書をしていた高市の弟が山本拓の事務所で雇われたことが縁で結婚した[2][18]。同年4月、近畿大学経済学部教授に就任した[11][19]。


国政復帰

2005年(平成17年)の第44回衆議院議員総選挙(郵政選挙)では、奈良2区の自民党候補であった滝実が、首相の小泉純一郎が推進する郵政民営化法案に反対して自民党を離党した(造反組)ため、高市は自民党による滝への刺客候補として同区に国替えして立候補した[注釈 4]。高市は滝を破って再び衆議院議員へ当選し、国政に復帰[11]。なお滝も比例代表で復活当選している。


内閣府特命担当大臣に就任


2006年に内閣府特命担当大臣としての入閣に際して公表された肖像写真

2006年(平成18年)、第1次安倍内閣で初入閣し、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、科学技術政策、少子化・男女共同参画、食品安全、イノベーション担当)に就任した[11]。


2007年(平成19年)、青少年保護のための有害情報対策を協議する諮問会議を政府内に設置する考えを表明し、記者会見で青少年保護育成条例を47都道府県中唯一制定していない長野県の対応を批判した。


閣僚で唯一靖国神社に参拝

同年8月15日の終戦記念日に、高市は第1次安倍内閣の閣僚の中で唯一靖国神社に参拝した。当初は公務を優先して参拝しない意向だったが[20]、「全閣僚が終戦記念日に靖国神社へ参拝しないことを避ける」ために、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会会長・島村宜伸[21]から要請を受け、同日の夕方に急遽参拝を行った[22]。


自民党政務調査会「青少年特別委員会」委員長

同年10月、自民党政務調査会の「青少年特別委員会」委員長および「繊維・ファッション産業政策小委員会」委員長を務めた[11]。2008年(平成20年)、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律の作成に携わる[23]。


経済産業副大臣に再就任

2008年8月、福田康夫改造内閣で経済産業副大臣に就任し[注釈 5]、麻生内閣でも再任された[11]。


野党時代

再選と下野

2009年(平成21年)8月の第45回衆議院議員総選挙(政権交代選挙)では奈良2区で立候補した。前回の選挙で破った滝実(新党日本を離党し、衆議院解散後に民主党に入党していた)に敗れたが、比例近畿ブロックで復活当選し5選。


同選挙では民主党が大勝して絶対安定多数の議席を獲得し、国民新党・社会民主党とともに政権与党となり、自民党は野党に下った。


児童ポルノ規制法

2009年11月、野党議員となったが「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」を提出した[24]。当初は成立しなかったが、その後も同様の改正案を提出し[25][26][27]、2014年6月に法改正を達成した[注釈 6][28]。


派閥を離脱

2011年(平成23年)、清和政策研究会(森喜朗派)を離脱し、無派閥となった。理由は「次の派閥会長となる町村信孝を応援するつもりはない」からだったという[29]。2012年(平成24年)、自民党広報本部長に就任[11][30]。


政調会長に就任

2012年12月の第46回衆議院議員総選挙で当選し、6選。同選挙では自民党が大勝して絶対安定多数の議席を獲得し、再び与党となった。当選後に自民党政務調査会長に女性として初めて就任した[31]。自民党日本経済再生本部長も務めた。


総務大臣に就任

2014年(平成26年)9月3日に発足した第2次安倍改造内閣で、女性初の総務大臣に就任した。同年12月の第47回衆議院議員総選挙で7選。その後発足した第3次安倍内閣、第3次安倍改造内閣、第3次安倍再改造内閣で3内閣続けて総務大臣に再任された[11]。2017年(平成29年)6月20日、総務大臣の在任日数が歴代1位となった[32]。同年7月19日、山本拓と離婚した[注釈 7][33]。同年8月3日、内閣改造によって大臣を退任した。総務大臣としての在任期間は、1066日であった[34]。同年10月の第48回衆議院議員総選挙で8選。


自民党サイバーセキュリティー対策本部長

同年11月、新設された自民党サイバーセキュリティ対策本部長に就任した。


2018年(平成30年)10月、衆議院議院運営委員長に就任した[11][35]。議院運営委員長に女性が就任するのは衆参両議院合わせて初めてであった。


総務大臣に再就任

2019年(令和元年)9月11日、第4次安倍再改造内閣で再び総務大臣に就任した。内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)も務めた[11]。


2020年(令和2年)9月17日、安倍の辞任に伴う内閣の総辞職および菅義偉内閣の発足に伴い、総務大臣を退任した。後任大臣の武田良太との引き継ぎ式では、「NHK受信料と携帯電話料金の改革を完遂したかった」と語ったという[36]。


自民党総裁選へ立候補

安倍晋三との勉強会

2021年2月から安倍晋三の再々登板に向け、勉強会を重ねてきたが、菅義偉に義理立てをする安倍が立候補に後ろ向きであったことから、自身が立候補する決意をしたと高市は述べている。[37]総裁選の基軸政策である「日本国土強靭化計画(サナエノミクス)」等の政策はこの勉強会で練り上げたものである。菅が自民党総裁選の不出馬を表明した後、安倍は高市を全面的に支援すると発表した[38]。


立候補の表明

2021年(令和3年)8月10日の週刊誌『週刊文春』に論文「総裁選に出馬します!」を寄稿し、同年9月に実施される自民党総裁選挙への立候補の意欲を示した。理由として「私が菅義偉を総裁に支持した理由は菅が『安倍内閣の政策を踏襲する』と語ったことであったが、菅内閣ではアベノミクスの2本目の矢である『機動的な財政出動』が適切に実行されなかった」と指摘した[39][40]。


さらに8月26日発売の『月刊Hanada』に、有本香を聞き手とする「わが政権構想」を寄稿し、「支持率1パーセントになっても菅総理を支える」と語った[41]。


同日、正式に総裁選への立候補を表明[42]。9月8日には総裁選出馬の記者会見を開き、「私、高市早苗は、日本を守る責任と、未来を拓く覚悟を持って、ここに自民党総裁選挙への立候補を表明いたします。」と、正式に立候補を表明。[43]


立候補記者会見では、48分にも渡り多岐にわたる自身の達成したい政策を述べ、質疑応答を含めると2時間に渡る会見となった。中でも、経済政策と憲法改正を全面に掲げている。


なお、自民党総裁に女性が立候補したのは2008年総裁選の小池百合子以来2人目[44]。また、16日に野田聖子も立候補を表明したことで、2021年総裁選は男性2人、女性2人の立候補となった。


選挙結果

第1回投票で国会議員票は岸田文雄に次ぐ114票で河野太郎の86票を上回る2位につけるも、党員党友票は河野と岸田を下回り、得票数3位で決選投票に進めなかった。高市は敗北後の支援議員に対して「政策に賛同いただいた。勇気が出ました」と挨拶をした[45]。決選投票の結果、岸田が河野を破り自民党新総裁に選出された。


政調会長に再就任

2021年10月1日、自由民主党政務調査会長に再就任。総裁選を争った河野は党広報本部長、野田は内閣府特命担当大臣(地方創生、少子化対策、男女共同参画)に起用された。


同年10月4日に岸田が第100代首相に就任し、第1次岸田内閣が成立した。その日に行われた首班指名選挙の衆議院における投票で「高市早苗:1票」が投じられた。高市の名前が読み上げられた際には議場内にはどよめきが起き、「誰が入れたんだよ!」とヤジが飛んだ。高市に1票投じたのは丸山穂高衆院議員(NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で所属)であった(無論、高市本人は岸田に投票している)[注釈 8][46]。


2021年10月11日、自由民主党経済安全保障対策本部長に就任。



政策・主張

高市は自身の政策として、主に次のような提唱および活動を2021年までに行っている。


日本国憲法を改正し、「戦争の放棄」などの条項を削除して「国防軍」を明記する[48] [49]。

日本の国旗への損壊等の行為は、外国の国旗への損壊等に対する行為と同じ処罰とすべきと主張している[50]。

皇位継承問題に関して、女系天皇へ反対する[48]。

福祉について「いきすぎた結果平等」を削減し、機会平等を推進する。社会保障の「不正な受給」を阻止する[48]。

経済について、先端技術などの成長産業への財政投資を積極的に行う[51]。外国との自由貿易を推進する[51]。

税制について、所得税の累進課税を廃止する[51]。将来的には[52]企業や金融への増税を行う[51]。

教育について、実学を重視し、義務教育におけるプログラミング教育や、高等専門学校・専門学校の拡充をする[51]。

安全保障について、軍事費を増額して、敵基地攻撃能力の獲得を推進する[49]。サイバーセキュリティを充実させる[53]。

歴史観について、靖国神社への参拝を継続する[54]。また「日本が一方的に悪いことになっている」と村山談話に否定的である[55]。

暴力やポルノなど「有害な表現」の規制を推進する[56]。児童売春・児童ポルノ規制法を改正した[28]。

家族観について、選択的夫婦別姓に反対し、旧姓(通称)の利用拡大を主張する[57]。

以下、各項目について述べる。


国家観

高市が守るものとして「国民の生命と財産」「国土と資源」「国家の主権(独立統治権)と名誉」を挙げ、それは「国の究極の使命でもある」などと表明している[48]。

「いずれの国旗も、平等に、尊重して扱われるべき」として外国の国旗への損壊が外国国章損壊罪で処罰対象となるのと同様に、日本国旗の損壊行為全く同等の刑罰を盛り込んだ日本国旗損壊等の罪を新設する『刑法の一部を改正する法律案』を起草。刑法改正を求める要望書を2021年1月に「保守団結の会」一同と共に政務調査会長の下村博文に提出した[50][注釈 9]。

憲法改正に賛成

憲法改正を強く志向している。「今を生きる日本人と次世代への責任を果たす為に、時代のニーズに応えられる『新しい日本国憲法』の制定を目指す」と表明している[48]。

改正内容としては、現行の憲法9条にある「日本国は戦力を保持しない」「交戦権を保持しない」条文を削除することを主張している[49]。

自民党が2012年に作成した改憲草案(外部ページ)について、「2021年現在の自民党案より良い」と評価した[49]。

憲法を改定すべき項目として「緊急事態条項」「戦争放棄と自衛隊」「その他」を挙げた[58]。

日本国憲法について、第二次世界大戦で日本が降伏したのち連合国に占領されていた時期に同憲法が制定されていることを根拠として、「すべて見直すべきだ」と主張している[59]。

憲法によって国家権力が制限されること(立憲主義)に関して、「議員立法作業に取り組むたびに日本国憲法による制約に苦しんできた」と語り、憲法改正の必要性を訴えた[60]。

女系天皇に反対

女系天皇に反対している。皇位継承問題に関して、「万世一系という2千年以上の伝統は、天皇陛下の『権威と正統性』の源だ」として、旧皇族の男系男子を皇籍に復帰させることや養子縁組を行わせることによって男系天皇を維持すべきだと2021年に主張した[60]。

「『女性天皇』には反対しないが、『女系天皇』を容認すると、将来的に天皇陛下直系の祖先は女系も男系も両方民間人になる可能性がある」「正確に受け継がれてきた初代天皇のY1染色体は途絶する」などと2006年に主張した[61][注釈 10]

経済・財政

積極的な財政出動

自身の経済政策を『日本経済強靭化計画』(または『ニュー・アベノミクス』『サナエノミクス』)と呼び、第1の矢を「大胆な金融緩和」、第2の矢を「緊急時に限定した機動的な財政出動」、第3の矢を「大胆な危機管理投資・成長投資」としている[51]。

これらによって物価安定目標であるインフレ率2%の達成を目指すと語った[51]。

財政出動については、あくまでも災害や感染症、テロ、紛争、海外の景気低迷などの要因による「緊急時の迅速な大型財政措置」に限定するとした[51]。

国債の発行には賛成し、「必要な経費の重要な財源として活用するべきもの」とした[51]。

成長産業への財政投資

「大胆な危機管理投資・成長投資」を特に重視しており、大規模な財政出動や法制度整備を伴うものとした[51]。

危機管理投資として、具体的には「生産協力企業への国費支援」「研究開発拠点・生産拠点の国内回帰を促す税財政支援」「基礎的原材料の確保」「省電力化研究開発の促進」「安定的な電力供給体制の構築」「防災対策」「グリーンインフラ技術」「老朽化した集合住宅の増改築投資」などを挙げた[51]。

成長投資として、具体的には「マイクロ波マンモグラフィー」「クライオ電子顕微鏡」「核磁気共鳴」「半導体」「産業用ロボット」「量子コンピュータ」などを挙げた[51]。

コロナ感染症対策の経験も踏まえた、国内生産の支援や創薬のための研究開発、人材強化を挙げている[62]。

自由貿易推進

貿易交渉の強化を目的に、米国通商代表部をモデルとした政府一体の通商代表部の設立を提唱している[63]。

日本のTPP参加には自民党政調会長(当時)として当初反対の立場をとったが[64]、第2次安倍内閣が進めた貿易自由化については、働き方改革、農政改革、電力・ガス小売全面自由化並んで高く評価している[51]。

経済安全保障

経済安全保障として、特に中国を念頭に、来日する留学生や技術者が、帰国時に日本の民間技術を持ち帰り、母国で兵器技術に転用を防ぐことを目的とした法案や組織を整備する「経済安全保障包括法」の制定を目指すとした[65]。

税制

企業への増税

企業への増税を提唱している。内部留保よりも現金預金への増税を検討し、「法人企業の現金預金に対して1%の課税を行えば税収が2兆円増える。資本金1億円以下の企業を除外しても1兆円増える」という試算を2021年9月に述べた[51]。

ただし、この増税は今すぐではなく将来的な選択肢とした。高市は「インフレ率2%の達成を最優先しており、それの足を引っ張るような増税はしない」「将来的に全て減税策という訳にはいかず、代わりに何らかの増税策がセットになる」「全て減税策を挙げるのは不誠実なことだと思い、考えうる例として挙げた」「インフレ率2%を達成し、株価が相当上がり、企業が税を払えるだけの儲けがあることが増税の条件」と述べた[52]。

法人税の実効税率の引き下げが2015年度の税制改正で焦点となった際には、「法人(関係)税収の多くが地方の財源。地方財政に穴をあけるわけにいかない。引き下げには賛同するが、(代替財源として)外形標準課税の拡大などの改革を進めたい」と述べていた[66]。

金融所得への増税

金融所得(利子や配当、株式、為替取引などによる所得)への増税を、将来的な選択肢として提唱している。「50万円以上の金融所得の税率を現状の20%から30%に引き上げると、約3,000億円の税収増になる」という試算を2021年9月に述べた[51]。

所得税の累進課税を廃止

所得税率の累進課税を廃して一律10%程度に設定し[注釈 11]、さらに課税最低限を引き下げて[注釈 12]「勤労インセンティブ」を促すことを2021年に提唱した[51]。

一方で低所得者には勤労所得税額控除である「給付付き税額控除」として還付金を給付することで、「所得税収総額は減らさずに、各人が努力しただけ報われる税制」を提唱した[51]。

タバコ税率の現状維持

たばこ税の増税に反対しており、2010年の財務金融委員会で提出された「公平性を欠くたばこ税増税反対に関する請願」の紹介議員に名を連ねた[67]。2021年時点で「自民党たばこ議員連盟」副会長を務める[68]。

2021年の自民党総裁選に出馬するため、同年9月7日の『バイキングMORE』に出演した際には、司会の坂上忍から「僕とブラマヨの吉田君はたばこ増税に反対している高市さんに頑張っていただきたい」と支持を受け、高市も「今はいろんな物を増税できる環境にはない」と回答した[69]。

災害被災税控除の拡大

災害被害者への救済策である控除制度を拡大することを提唱した[51]。

育児や介護・看護への支援

育児や介護・看護の支援策として、ベビーシッターや家事支援サービスを国家資格化して利用代金を税額控除することを提唱した[51]。

環境・エネルギー

環境エネルギー省の設置

省庁再編による、環境政策とエネルギー政策を担う環境エネルギー省の創設を唱えている[70]。

デジタル化に対応した電力供給の確保

今後、デジタル化が進んで電力需要が増大しても安定的に供給できる電力確保が重要であると述べている[71]。

原子力および核融合技術の活用

「危機管理投資」のエネルギー分野として、小型モジュール原子炉と核融合炉を掲げている。

地下式原子力発電所政策推進議員連盟に所属し、地下式原子力発電所の検討を行っている[72]。

エネルギー資源の海外依存の減少を目的としたプルトニウムを必要としない核融合発電の推進を提唱している。核融合炉が2020年代に完成することを予想しているが[73]、国際プロジェクトのITERでさえ、2025年にプラズマ点火を目標としているのが現状である。さらに、小型核融合炉を推しているが、最重要課題の一つであるプラズマ閉じ込め性能はサイズに依存するため、大型炉すら見通し不明の現状では小型炉の実現性には批判もある[74]。また、この予想の根拠として、「2年ぐらい前に量子コンピューターの日本の権威と言われる学者に「量子コンピューターっていつ実機が出ますかね?」と聞いたら、「あと10年はかかるでしょう」。でも、21年8月には、もうIBMの実機が日本に1機導入されましたよね。」と主張しているが[73]、IBMが設置したのは「NISQ」(ノイズあり中規模量子デバイス)であり、実務性には欠ける装置である[75]。性能に拘らなければ実機自体は2年以上前から存在するので、学者と認識のずれがある。

国産の融合炉を実現するため、関連技術をもつ京都フュージョニアリング社(京都大学によるスタートアップスタジオ)に注目し、同社を国家事業として積極的に支援すべきと述べた[76]。ただし、この企業は、核融合炉の主要機器であるブランケットやダイバータ、ジャイロトロンなどの提供やプラント設計を事業としており、実現への最重要課題のプラズマ制御には直接アプローチしない。

量子コンピューターの活用

量子コンピュータの日本国内での開発を目指している。高市が注目する数社および理化学研究所へ国家事業として支援して開発させることで、電力消費量の削減および安全保障に有用だと述べた[76]。

使用済み太陽光パネル廃棄・処理

太陽光パネルの安全なリサイクル技術を急ぐべきだとしている。特に太陽光パネルの耐用年数は20年から30年であり、2010年前後に始まった再生エネルギーの固定価格買い取り制度により大量導入された機器の処分が迫っていることが問題の背景にある[77]。

なお、この問題について高市が総務大臣のときに行政管理局長に実態調査を指示し、第5次エネルギー基本計画に使用済みパネルの適正処理が盛り込まれた[78]。

福祉の「公平化」

「機会平等」を推進

「『行き過ぎた結果平等』を廃し、『機会平等』を保障するべきだ。『(富裕層への)嫉妬に立脚した法制度』が増え過ぎると、優れた人材も企業も育たない。むしろ、『リスクをとって努力した者が報われる環境作り』『出る杭を伸ばす発想への転換』こそが、可処分所得を増やし、人材流出や産業空洞化を防ぐ鍵だと確信する。」などと表明している[48]。

「自立と勤勉の倫理」を推進

「『過度の依存心を煽る政策』を廃するとともに、『福祉制度の不正利用』を防止する。将来を見据えて、「給付と負担のバランス」についても、責任をもって率直な議論を行うべきだ。 日本人の矜持である「自立と勤勉の倫理」を取り戻し、法制度の内容や執行の 『公正性』を担保し、『正直者が報われる社会』を構築する為に闘う。」などと表明している[48]。

「福祉の不正受給」を防止

社会福祉の過剰な受給を過去に厳しく批判した。「『さもしい顔して貰えるものは貰おう』とか『弱者のフリをして少しでも得しよう』、そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまう。(中略)多くの方が真面目に働く、人様にご迷惑をかけない、自立の心を持つ、そして秩序のある社会をつくる。それによって日本がどんどん成長していく。まあ、本当に気の毒な方々のためにも頑張っていける、力強い国をつくれる。(中略)もう一度みなさんと力を合わせて、また安倍総理(当時)に頑張っていただいて、日本を『奴ら』から取り戻しましょう」と、2012年の創生「日本」の研修会で演説した[79][80][81]。

なお、この発言の真意について2021年9月の総裁選立候補を表明する記者会見の場で質問された際には「民主党政権下で生活保護の不正受給が増加していた問題に対する発言だった」と述べた[81][82][注釈 13][83]。

失業や難病、介護や育児への支援

「COVID-19への支援金の不正受給が問題になっている」「福祉は公正・公平であるべきだと考える」などと述べ、そのうえで「やむをえない失業や難病、介護や育児のために困窮する者に対しては支援を行う」と語った[81][注釈 14][84][85]

教育

教育基本法改正への評価

第1次安倍内閣による教育基本法の改正を高く評価している。同改正により「道徳心」「自主及び自律の精神」や「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する」などの条文を明記したことを評価した[48]。

教育方針については、「基礎学力と体力の向上とともに、公徳心・生命観・勤労観・愛国心・愛郷心を育む」とし、「改正教育基本法の崇高な理念が完全に実行される日まで、教育改革への挑戦を続ける」と表明している[48]。

高等専門学校・専門学校の拡充

実学重視の教育経路を多様化することを目指し、高等専門学校や専門高校の拡充や、実業志向の大学への編入拡大などの進学経路を増やすことを提唱した[51]。

プログラミング教育

プログラミング教育を推進しており、2020年には義務教育課程への導入を達成した。さらに「AI教育」の導入を提唱した[51]。

社会人の大学・大学院での学びなおし

社会人が大学や大学院に入学する「リカレント教育」および、働きながら教育を受け続ける「持続教育」を拡充することを提唱した[51]。

安全保障

自衛隊の改称と軍事費の増額

自衛隊を「国防軍」に改称し、軍事費の増額によって先進装備の調達や研究開発を推進するべきだと2021年に主張した[49]。

敵基地攻撃能力の保有

ミサイル防衛に関して、敵国の基地の機能を一時的に喪失させる攻撃を可能にするべきだと2021年に主張した[49]。

戦争状態に突入した際には「敵基地を先に無力化することが重要」だと2021年に述べた[86][53][87]。

非核三原則の堅持

日本の核武装については、「将来にわたって検討すべきでない」[64]「非核三原則を堅持すべきだ」[58]と2012年および2017年に表明した。

日米地位協定

在日米軍による犯罪をめぐって提起される日米地位協定の見直し論[注釈 15]については、「困難な状況が予想される」と慎重な見解を2008年に示した[88]。

高市は「日本と同じく米国の同盟国であるドイツや韓国では、米国がより高い地位にある」、「自衛隊員が海外派遣先で容疑者となった際にも『国連軍地位協定』によって日本の刑事裁判権下にある」などと指摘した[88]。

自衛隊法の改正

自衛隊が外国で在外日本人の避難を警護することを可能にするための自衛隊法改正を主張し、法案を提出した[89]。

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティに造詣が深く[90]、「情報通信省」「サイバーセキュリティ庁」を新設することを提唱した[53]。

日本に対するサイバーアタックへの対策を、通信政策を所管していた総務大臣経験者としてライフワークとして掲げている。まずは、経済政策と通信政策の両立として、中小企業がIOT機器を製作販売するにあたり、数百万円コストを要するぺネトレーションテストの補助を行うことを掲げた[91]。

今後の戦争のなかでゲームチェンジャーとなりえるものとして、衛星、電磁波、サイバー、無人機を挙げている。装備の無力化にはミサイルなどの直接的な攻撃に限らず、強力な電磁波やサイバー攻撃によることを含むとした[53]。

歴史観

第二次世界大戦に関して、日本政府は公的な見解として「大日本帝国がアジア諸国へ侵略したことを謝罪する」という内閣総理大臣の談話(村山談話)を踏襲している。これに高市は否定的であり、「村山談話を変更すべき」などと述べた[59][55](詳細は後述)。

大日本帝国の慰安婦に関して、日本政府は公的な見解として「大日本帝国および旧日本軍の関与により、朝鮮半島の女性たちを強制連行して尊厳を傷つけたことを謝罪する」という内閣官房長官の談話(河野談話)を表明している。これに高市は否定的であり、「事実に基づく新たな談話を発出するべきだ」などと主張した[92][93][94]。

大日本帝国が朝鮮半島の住民を日本へ強制連行したとする見解を否定し、「同じ日本国民としての戦時徴用と呼ぶべきだ」と主張している[95]。

靖国神社への参拝を継続している。もし自民党総裁や内閣総理大臣に就任した場合でも参拝すると表明している[54]。

同時に、国立追悼施設(靖国神社問題を避けるための政治色・宗教色を排した施設)の設置構想には強く反対している[56]。

日本とドイツとの国交樹立150周年を記念した2011年の国会決議「日独友好決議」について、高市が所属する自民党および日本会議の議員の多くが「日独の両国を『侵略国』と断罪している」「歴史認識を誤認している」ことに反発し、反対や棄権、退席を行った[96][97]。

日本共産党の機関誌『しんぶん赤旗』によれば、高市も同決議へ反対した。高市は「日独両国が各国との戦争で多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」と言明したことや、戦後の「戦争への反省」に言及していることを問題視し、「『戦争権』は、全ての国家に認められた基本権です」などと主張したという[98]。

外国人参政権に反対

外国人参政権の付与に反対している[99]。

在日韓国人への外国人参政権付与について、「過去に日本が朝鮮半島の人々を強制連行したこと」を根拠として検討する見解を2010年1月に総務大臣の原口一博が述べた[100]ことに対し、高市は同年3月の第174回国会で異議を唱えた[101]。

高市は当時の日本政府の見解を紹介し、「1959年当時日本に残っていた在日朝鮮人約61万人のうち徴用労務者はわずか245人で、在日朝鮮人は自分の自由意思によって日本に留った者または日本生まれであり、日本政府が本人の意志に反して日本に留めているような朝鮮人は犯罪者を除き1名もいない」と主張した[102][101][103][104]。

青少年保護・児童ポルノ禁止

「残忍な殺戮シーンのあるコンピュータゲーム、猥褻な漫画、インターネットの自殺サイトや出会い系サイト、誹謗中傷に満ちた電子掲示板の存在は、明らかに青少年の健全育成・安全な社会作りに有害なものとなっている」と2007年に主張し、それらへ対する法規制を以後も推進している[56]。

暴力的および猥褻なゲームソフトや映像作品の販売を、現状の都道府県での条例のみならず政府レベルで法規制することを検討すると2007年に述べた[105]。

「青少年がインターネットでセックスや暴力などの有害情報にアクセスするのを防ぐ」ためとして、政府から『有害』指定を受けた情報を削除しなければ懲役刑を科すことなどを目指す「青少年有害情報規制法案」を2008年に作成した[106]。詳細は後述。

有害図書類、有害情報(残虐サイト、犯罪や殺人、ポルノや自殺サイト等)等による犯罪から青少年を守るため、青少年健全育成基本法案の請願を2008年および2012年に国会へ提出した[107][108][109][110]。

児童買春・児童ポルノ禁止法の改正案を2009年から2014年へかけて国会へ提出し、法改正を達成した[24][27][28]。

ただし、漫画やアニメ等の創作物を児童ポルノ法で規制することについては、「個人的には困難だと考えている。理由は、現行の児童ポルノ法では児童の定義を「18歳未満」としており、実在する児童を対象としたものではない漫画やアニメでは、年齢要件を判定できないから。」と2008年に述べた[111]。

また、「児童ポルノ禁止法は、実在児童の保護を目的としたものであるため、単純所持については改定を進めていくが、マンガ・アニメ・ゲームに関する部分については、今後与党の間で新しく話し合いを行い、いただいた懸念のないよう検討する」と、2013年に陳情に訪れたコミックマーケット準備会共同代表の安田かほる、全国同人誌即売会連絡会世話人の中村公彦と面会して述べた[112]。

2021年の自身の総裁選出馬会見では日本の強い分野としてアニメ・ゲームを紹介し、人材育成や国際展開のための戦略的な支援を行うことを公約の一つとして挙げた[113]。

選択的夫婦別姓に反対

選択的夫婦別姓の導入に強く反対しており(詳細は後述)、同制度へ反対する自民党内の議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表を2021年時点で務めた[57]。

現行の夫婦同姓に賛同し、「家族の一体感を守るためにも夫婦親子同姓を堅持すべき」「日本には日本の制度がある」などと2021年に語った[57]。

姓が結婚に伴って変更されることによる不利益に関しては、「旧姓を通称(通名)として使用できる場面を拡大すればよい」などと主張した[57]。

2002年には「ネコ撫で声の『男女平等』に騙されるナ!クタバレ『夫婦別姓」という記事で、別姓について「『社会の秩序』や『家族の絆』を破壊する個人主義的政策に保守系の議員が協力するのは愚かなこと」などと批判した[114]。

2004年に高市が結婚した際は、戸籍上の姓を夫の『山本』へ変更したが、通称は旧姓の『高市』としていた。衆議院議員総選挙にも『高市 早苗』の通称で立候補し、閣僚名簿でも『高市』を用いていた[115][116][注釈 16][117]。

しかし、選択的夫婦別姓については当時から明確に反対していた[118]。

その後、2017年7月19日に離婚したことにより、戸籍上の姓も『高市』に復氏となった[119]。

2010年の民主党の鳩山由紀夫内閣での選択的夫婦別姓の導入を含む法案には、明確に反対した[注釈 17][120][121]。2014年にも選択的夫婦別姓法案に反対を表明した[122][123][124][125][126]。

2021年1月30日、高市ら自民党国会議員の有志50人は、47都道府県議会議長のうち同党所属の約40人に、「選択的夫婦別姓の導入に賛同する意見書を採択しないよう」求める文書を郵送した[127][128][129][130]。

これに対して一部の地方議員や選択的夫婦別姓を推進する市民団体は、「地方議会の独立性を脅かす行為だ」として高市らを批判した[127][128][129][130]。

同性婚に反対

同性結婚について、「どちらかと言えば反対」と2017年に表明した[58]。

同性カップルについて、「異性間(男女)カップルとは区別する必要がある」という趣旨の説明を2020年に行った[131]。詳細は後述。

家族観について

婚外子(非嫡出子)が親からの相続に関して嫡出子よりも不利になるという民法の規定について、2013年に婚外子相続差別訴訟で最高裁判所が「憲法違反である」と判断した。これに関して高市は「差別を解消するよう関連法を改正すべき」と述べている[132]一方で、この判決について「ものすごく悔しい」などと述べた[133][134]。

共働きの夫婦について「他人に子どもを預けた人のほうが一方的に優遇される制度ではだめだ」と述べている[135][136]。

個人情報の保護

ドメスティックバイオレンス(DV)やストーカー行為の被害者の住所が加害者に知られることがないよう、住民基本台帳の閲覧や住民票交付を通じて本人確認を徹底することなどを改めて求める通知を、2014年9月12日に各地方自治体に出した[137]。

同通知では、閲覧や交付の請求者には写真つきの身分証明書を提示させるよう求めた[137]。

感染症対策の強化

将来のエボラ出血熱をはじめとする感染症への対策として、ロックダウン(都市封鎖)を可能とする法整備の検討に早急に取り組む必要があるとの認識を2021年9月に示した[138]。

国会議員の女性定員制に反対

国会議員の一定数を女性に割り当てる『クオータ制』の導入に反対した。「機会の平等が民主主義の根幹である」とし、「無理やり法律でゲタを履かせるのではなく、有権者が最も代表にふさわしいと思う人が選ばれるべきだ」と述べた。[139][140]。

論争

ナチス・ドイツ礼賛者とツーショット撮影

2011年6月、ナチス・ドイツを信奉するネオナチ系の日本の市民団体「国家社会主義日本労働者党」の代表である山田一成と高市が、日本国旗の前でツーショット写真を撮影していたことが、2014年9月にAFPやガーディアンなどの複数の海外のマスメディアで報道された[141][142][143]。


この問題について、高市は同月12日の記者会見で「率直に申し上げて、不可抗力であった」と述べ、「所属団体や思想信条がわかっていたら、会わなかった」と主張した[144]。


東京新聞は「欧州であれば即刻辞任に値する」と論評した[143]。


抗議

米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」の副所長エイブラハム・クーパーは強い不満を表明し、「(写真を見て)首をかしげざるを得ない。こうしたことが起きないよう責任を持って対処する人はいないのか」、「(政治的な)衝撃を軽減するための発言ではないか。(団体の思想について)明確な批判をすべきだ」と同年10月9日に述べた[145]。


釈明

高市の事務所は、同年9月10日時点で以下のように釈明した[146]。


山田と高市とはほとんど会話をしていない[146]。

山田はおそらく2011年以前に雑誌(右翼系の月刊誌「撃論」[144])のインタビュアーの補佐(メモを取る程度の係)として議員会館に来訪した。インタビューが終わった後、山田が高市に「一緒に写真を撮りたい」と申し出たため、ツーショットで撮影した[146]。

同時点で高市は山田の素性について知らなかった[146]。

出版社によれば山田は元々フリーライターで、偶然インタビューに同行した。その後、出版社と山田との契約はない。出版社も山田の思想について知らなかった[146]。

高市と山田との付き合いは以前も以後も全くない。高市は出版社を通じて、山田に写真の削除を依頼している[146]。

「ヒトラー選挙戦略」への推薦文寄稿

同時期の2014年9月、高市が1994年の書籍『ヒトラー選挙戦略』に推薦文を寄せていたことが報じられた[147][144]。


同書はナチス・ドイツの指導者であったアドルフ・ヒトラーの自伝「我が闘争」などを引用し、その政治戦略について高く評価するとともに、日本の政治家が選挙で勝つために参考にすべき戦略として指南していた[148][149]。


著者は自民党東京都支部連合会の広報部長であった小粥義雄であり、高市は国会議員に就任した翌年で自由党所属であった[144](その2年後に自民党へ移籍した)。


内容

同書はヒトラーについて「短期間で世論をまとめて権力を奪った」などの能力を称賛し、「緊急措置で敵を一掃した」などの成功戦略を論じている[148][144]。


それらヒトラーの戦略は現代(当時)の日本の政治家も見習うべき点が多いとし、「大衆への宣伝が基本である」「表と裏を使い分ける」「説得できない有権者は封殺する」「警察に捜査される前に証拠を徹底的に隠滅する」などの戦略を推奨していた[149]。


なお、小粥は同書について「ヒトラーの独裁政治やユダヤ問題に関する評価は後世に譲る」「単に選挙戦術について書いた」と述べており、1994年当時に同書について報じたニューヨーク・タイムズ紙もその点は確認している[148][144][149]。


批判

しかし、人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センターなどから「この本はヒトラーを正当化しすぎている」などの抗議を受けて、発売後に2ヶ月で出版が停止されていた[144][148][147]。


高市による推薦文

高市は当時、同書への推薦人として「(選挙の)候補者と認知された瞬間から始まる誹謗、中傷、脅迫。私も家族も苦しみ抜いた。著者の指導通り勝利への道は『強い意志』だ。国家と故郷への愛と夢を胸に、青年よ、挑戦しようよ!」と書いていた[144][147][149]。


釈明

出版から20年後となった2014年の同報道に対して、高市の事務所は「推薦文については記憶が無く、コメントできない。本人も著者を知らない」と回答した[144][149]。


週刊ポスト・週刊実話「天理教との関係」報道

2014年12月、週刊誌「週刊ポスト」が、「高市が政治資金を選挙区に配った公職選挙法違反疑惑が浮上した」と報じた[150]。


背景

高市の地元選挙区(奈良2区)の大票田のひとつである天理市は、新興宗教である天理教教会本部の所在地である[150]。


同誌によれば、高市が代表を務める「自民党奈良県第2選挙区支部」の政治資金収支報告書における2012年1月6日の記述には、同支部から天理教教会本部へと「会費」名目で「2万円」が支出されたという[150]。


さらに、高市の配偶者(当時)であった山本拓議員の資金管理団体の収支報告書にも、天理教関連団体へと見られる同額の支出があった。同誌の取材に対して山本の事務所は「天理教本部で毎年1月上旬に開かれている『お節会』に、同額を『お供え代』として払っており、『高市代議士も払っていると思います」』と説明したという[150]。


疑惑

もし高市の「2万円」も天理教への「お供え代」であった場合、「公職選挙法で禁じられた地元選挙区への寄付にあたる疑いがある」と同誌は指摘した[150]。


同法では票の買収行為を防止するため、〈公職の候補者等の寄付の禁止〉として、政治家は選挙区である地元への金銭・物品などの寄付行為が禁じられている[150]。


天理教との関係

なお、同報道の直前の2014年11月18日には、高市は自身のホームページの写真アルバムの「国会・東京事務所編 2014年」カテゴリ内に、「天理教教会本部西田先生他ご来訪」というタイトルの写真を掲載していた。その写真は、高市および4人の男性がテーブルを囲んで書類に目を通す場面であった[151]。


週刊実話における記述

なお、ゴシップを中心とする大衆向け雑誌「週刊実話」によれば、ある自民党議員が証言として「高市は第1次安倍内閣時代に内閣府特命大臣に就任した際、集票目当てに天理教の信者となっていたことが、天理教側によって暴露されている。また、同時期に高市は山谷えり子議員とともに新興宗教の統一教会が福岡で行った集会に祝電を打ち、厳しく批判された」と述べたという[152]。


また同ゴシップ誌の記述によれば、「高市は人材派遣会社のパソナから事務所へスタッフを派遣されていた疑いがあり、東京地検も関心を示している。また2007年には、高市の資金管理団体と、高市が支部長を務める自民党支部の事務所費の合算費用に、計1,700万円以上の使途不明金があったことが報道されている。さらに2009年には、『熊谷組』傘下の団体から高市の資金管理に100万円の献金があったことも判明している」という[152]。


週刊ポスト「1億円の使途不明金」誤報

2015年4月、週刊ポストが、「政府系金融機関の日本政策金融公庫から、ある三重県鈴鹿市の農業法人に合計2億2千万円の融資が行われた際に、1億円の使途不明金があることが発覚した。高市の実弟である秘書官が関わっていた疑いがある」と報じた[153][154][155]。


否定

一方、高市は「見出しも中身もあまりに悪質で、ひどい捏造記事だ。融資には高市事務所も秘書官も私も一切関与していない」、「農業法人の経営者との関係は全くなく、面識はない」と強く否定した[153][154][155][156][157][158][159][160]。首相の安倍晋三は「心配していない」と高市を擁護した[161]。 高市は「この記事は、私や秘書官の信用を傷つけたということだけにとどまらず、安倍内閣全体のイメージを損ねる可能性がある」と抗議し[155]、「実弟が週刊誌側を相手取った民事訴訟や刑事告訴を検討している」と語った[154]。


週刊ポストの謝罪

高市の否定に対して、週刊ポストは「本誌の取材内容は、4月6日発売号の誌面で報じたとおりである。必要とあれば、今後も誌面にて取材内容を報じていく」と述べた[155]。しかしその後、9月9日発売号において「<編集部よりお知らせ>2015年4月6日発売号掲載の「高市早苗総務相実弟秘書官が関わった『消えた公庫の1億円』10代疑惑を追う」との記事及び新聞広告において、高市秘書官が1億円融資の口利きに関与したとの誤解を読者に与えたことについて、高市氏及び関係者の皆様にお詫びします。」と謝罪記事を掲載した[162]。


鳥越俊太郎による「経歴詐称」騒動

高市は1987年から1989年にかけてアメリカ下院議員パトリシア・シュローダーの事務所で『Congressional Fellow(コングレッショナル・フェロー)』として勤務していたが、高市はこの職名を一時期『議会立法調査官』と称していたことがあった[13][163][164]。


鳥越俊太郎による攻撃

これについて、2016年2月にジャーナリストの鳥越俊太郎が問題視した[13][164]。


鳥越は上記の高市による「電波停止」発言へ抗議を表明した際に、併せて「高市は『議会立法調査官をやっていた』という触れ込みで帰国し、田原総一朗のテレビ番組へ出演していた。しかし、高市は議会立法調査官ではなく、見習い待遇で無給で未契約のフェローであった。コピー取り程度の、お茶くみ程度の役しかやっていない」、「経歴詐称である」などと攻撃した[13][164]。


高市による抗議

鳥越の発言に対して、高市は同年4月に「事実誤認である」として撤回を求めた。高市は「『議会立法調査官』はあくまで訳語(造語)であり、公的な職での経歴として使用したことはない」としたほか、「フェローは、議員事務所や委員会において、立法のために必要な調査や分析等を行う。フェローは、一般的に無給であるインターンシップとは異なる」と説明した[13][164][165]。


さらに高市は4月22日の会見で「弁護士を通じ、自身の経歴を証明する書類(高市の業務内容に関するシュローダー議員によるサイン入り文書と、研究費としての1月2000ドルの送金記録)と発言に対する抗議文書を、鳥越へ配達証明で送った」と語った[165]。


鳥越による発言の撤回

それを受けて鳥越の弁護士は発言の撤回へ応じる意向を示し、「撤回・修正するのもやぶさかではない」とする文書を高市へ送付したという[165]。


高市による解説

高市は「事実誤認の情報が流れているため、事実関係を整理して公表する」として、自身のホームページ上にて2016年4月19日時点で次のように説明していた[166]。


「立法調査官」という名称は、1989年に帰国後、雑誌への寄稿や出版の際に、Congressional Fellowでは読者は分かりにくいという編集者の要請から、「訳語」として使用されたものある。当時出演したTV番組等でも二次的に使用された例もある。

命名者は、評論家の桃井真である。当時、松下政経塾の理事で、元NHK解説委員長であった緒方彰が米国における高市議員の仕事ぶりをよく知っていたから、同氏とも相談の上、考案された。

「立法調査官」という肩書きは、1993年から一切使用していない。このことは、当時から現在に至る高市議員のプロフィールを見れば明らかである。従って、公的な職での経歴として使用されたことはない。

IWJによる肩書き調査

上記のように高市は「『立法調査官』という肩書きは1993年から一切使用していない」とホームページで述べていた[166]。


ジャーナリストの岩上安身らによる独自メディア「Independent Web Journal(IWJ)」によると、その記載は2016年6月時点でも公開されており、高市が当時の大臣を務めた総務省の大臣補佐官は「同名称は高市の最初の立候補のときも使われていない」と明言したという[163]。


選挙公報に『立法調査官』と記載

しかし、同誌によれば、高市は1993年の衆議院議員総選挙時へ立候補した際の選挙ポスターに『日本人で初めての米国連邦議会立法調査官として金融・ビジネス立法を担当』と記載していた。同様に選挙公報にも『立法調査官』と記載していたという。選挙公報は公職選挙法に従う公的文書である[163]。


釈明

これに関して同誌が総務省へ問い合わせたところ、大臣補佐官は「選挙事務所へ確認したところ、たしかに平成4年と5年は選挙公報に記載があった」と事実を認めた。


その弁明として同補佐官は「高市の事務所は議員になった後に発足したため、議員になる前は、ボランティア組織で選挙活動していたので、そこまで見ていなかった」と述べたという[163]。


批判

同誌はこの件に関する結論として「有権者が目にした『立法調査官』という『米国の公務員』を連想させる訳語は不適切というほかない」、『印象操作』などと批判した[163]。


その後、2021年9月現在では高市のホームページにおいて上述の「立法調査官」に関する説明は記載されていない[7]。


週刊文春「NTT社長らによる接待」報道

2019年12月20日と翌2020年9月1日に、いずれもNTT社長の澤田純、同副社長、秘書室長の3人から、総務大臣であった高市が接待を受けていたと、2021年3月10日に週刊誌『週刊文春』が報じた[167]。


同誌によれば、接待の会場は東京・麻布十番にある「KNOX」であった。同施設はNTTグループの関連会社が運営しており、年間の施設利用料(年会費)を支払っている会員企業は4割引きで利用できるという、NTTグループの接待のための施設であるという[167]。


釈明

週刊文春は高市へ対し「大臣在任中、NTT社長の澤田から接待を受けたのではないか」と質問した。高市は「澤田と2回食事をしたのは事実。ただし、澤田から折半の金額を聞いて支払い、領収書を受け取った。私の秘書が『NTT側から会費は1万円と言われている』と述べた。また、万が一、消費税などでオーバーしたら気分的に嫌なので、1人5500円の衣料品のお土産を私費で買い、先方(3名)に渡した」と回答した[168]。


続けて文春が「高価なワインを飲んだのか」と質問すると、高市は「それは分からない。私は飲酒を控えているので、その場を白けさせないように口を付ける程度だったため。ただ、総務省の案件で頼まれたことはない」と回答した[168]。


さらに翌日、高市は文春に対し書面で「会食を伴う意見交換は、行政の公平性に疑念を持たれることのないよう、すべて完全割り勘、又は全額当方負担を徹底していた」と補足説明し、NTTからの2回の接待でそれぞれ1万円を支払った領収書(宛名は自民党奈良県第二選挙区支部)のコピー2通を送ったという[168]。


告発

市民団体「検察庁法改正に反対する会」(共同代表:岩田薫)は2021年3月16日、「接待は贈収賄に当たる疑いがある」として、高市や同じく総務大臣であった野田聖子ら合わせて22人に対し、贈賄容疑での刑事告発状を東京地方検察庁に提出した[169][170]。


朝日新聞による政治資金の還付金受給報道

2012年の11月と12月に、自身が代表を務める自民党支部から計1,220万円の寄付を受け、その後同支部に1,000万円の寄付を行い、2013年の確定申告で寄附金控除によって、300万円の還付金を国税庁から受け取ったと報道されている[171]。


発言・立法

ウィキクォートには、高市早苗に関する引用句があります。


「産む機械」発言に対する反論

2007年1月に厚生労働大臣の柳沢伯夫(自民党)が少子化問題に関して「(女性という)『産む機械』は数が限られているから」などの発言を行ったことについて、高市は「私は子供を授かれない体なので、機械なら不良品になってしまう」と発言を批判した[172]。


「有害情報の規制」法案の制定

2008年3月、高市は自民党の青少年特別委員会の代表として、「18歳未満の青少年がインターネットでセックスや暴力などの有害情報にアクセスするのを防ぐ」ための「有害情報の規制」法案を作成した[106]。


要旨

同法案の主な内容は次のようであった[106]。


内閣府所管の「青少年健全育成推進委員会」が『有害情報』を判定する権限を持つ。

同委員会や総務大臣、経済産業大臣が、プロバイダやサイト管理者への立ち入り検査や削除命令を行う権限を持つ。

違反者には1年以下の懲役刑や100万円以下の罰金といった刑事罰を課す。

定義

また同法案は『有害情報』を次の6つに定義した[106]。


性に関する価値観の形成に著しく悪影響を及ぼす情報

著しく残虐性を助長する情報

犯罪、自殺、売春を誘発する情報

心身の健康を害する行為を誘発する情報

心理的外傷を与えるおそれがあるいじめ情報

非行又は児童買春等による青少年の被害を誘発する家出情報

対象者

さらに同法案による直接的な規制対象者を、「インターネットサービスプロバイダーやウェブサイトの管理者、携帯電話会社、フィルタリング関係者、機器メーカー、インターネットカフェ業者」などと設定し、それらに対して次のように義務付けた[106]。


青少年の有害情報へのアクセスを困難にするフィルタリング機能を整備すること[106]。

有害情報が流れる可能性がある場合は当該サイトを会員制へ移行すること[106]。

有害情報を削除すること、他[106]。

反響

この法案は「表現の自由を脅かす危険がある」「法的に不均衡ではないか」などという指摘を受けていた[173]。


2008年4月23日、IT企業大手のマイクロソフト、Yahoo!、楽天、DeNA、ネットスターの5社は共同で意見表明を行い、同法案への反対を示して次のように述べた[173]。


保護者の多様な意見を反映できない仕組みの導入を義務化したり、弊害が多く効果の期待できない規制を課したりする傾向がみとめられる。

子どもたちが安心してインターネットを利用できる環境を醸成することの必要性は 誰もが認めるところである。しかし、保護者や守られるべき子どもが望まない方法で、かつ、効果が期待できない方法を国が一方的に押し進めることは誰にとってもメリットはない。

当社らは子どもや保護者と一緒に最善の環境作りに寄与していきたい。

一方で、社会一般からの反響は小さかった。法案段階から反対表明をしていたのは、社団法人のMIAU(インターネットユーザー協会)[注釈 18]などのみにとどまった[173]。


成立後

最終的に『青少年インターネット環境整備法』が成立したが、成立時には当初の法案にあったような問題の多くは解消された。成立時に若干の報道がなされたが、その時点では当初法案のような危険なものではなくなっていた[173]。


政調会長就任中の村山談話の評論

第二次世界大戦について、日本政府が公的な見解として「大日本帝国がアジア諸国へ侵略したことを謝罪する」という1995年の談話(村山談話)を踏襲していることについて、高市は否定的な意見を示している[59][55]。


高市は2002年の投稿記事で、村山談話について「具体性に欠け、情緒的に過ぎる」「精査し、変更すべき」などと批判している。同時に、1945年から1951年にかけて日本が連合国に占領されていた期間に制定された法律および日本国憲法について、「すべて見直すべきだ」と主張した[59]。


2013年5月12日にも「村山談話は侵略という文言を入れているのはしっくりきていない」などと否定的な見解を述べた[55]。


批判

この高市の意見は当時の安倍内閣および自身が所属する自民党の見解とは異なるものであり、内閣官房長官も「村山談話を全面的に引き継ぐ」趣旨の発言をしていた[59]。よって政府や党内からも高市への批判が相次いだが、翌13日にも高市は「見解は変わらない」と述べた[55]。


さらに翌14日、自民党幹事長の石破茂や、自民党と連立する公明党の代表の山口那津男からも批判を受けた。


自粛

これらを受けて高市は、「私の信念は変わらないが、政調会長の立場である私の発言によって内閣や自民党に迷惑をかけた」[59]「内閣の方針に反する発言が党から発信されることは慎みたい」などと、発言を控える方針を示した[55]


放送法第4条「電波停止」発言

2016年2月8日、衆議院予算委員会において、民主党議員の奥野総一郎が、総務大臣であった高市に対して「放送局が"政治的に公平であること"と定めた放送法第4条第1項に違反した放送が行われた場合に、その放送事業者に対し、放送法第174条の業務停止命令や電波法第76条の無線局の運用停止命令に関する規定が適用される可能性があるのか」と質問した[174]。


当該発言

高市は電波の停止を命令する可能性について言及し、「行政が何度要請しても、全く改善しない放送局に何の対応もしないとは約束できない。将来にわたり可能性が全くないとは言えない」[174]、「総務大臣が最終的に判断をするということになる」などと答弁した[175]。


抗議

同発言に対し、ジャーナリストの田原総一朗ら7人が呼びかけ人となって、同発言が憲法及び放送法の精神に反しているとする抗議声明を出した[175]。


擁護

首相の安倍晋三は同発言を擁護し、同月15日に「民主党の菅直人内閣時代の2010年11月に、総務副大臣であった平岡秀夫が参議院総務委員会で、高市と同じ内容の答弁をしている。同じ答弁なのに、高市氏が答弁したからといって、おかしいというのは間違っている」と述べた[176]。


産経新聞社も「民主党政権が『電波止めるゾ』と恫喝したのをお忘れか」などと擁護した[177]。


民主党の平岡による答弁との比較

しかし、安倍らによる擁護に対して、翌3月31日の参議院総務委員会では、「民主党の平岡による答弁は、『業務停止命令を行うことができると考えているけれども、極めて限定的な状況にのみ、 かつ極めて慎重な配慮の下運用すべきものである』としており、その後半部分に答弁の重点を置いている。一方で、高市による答弁は、『電波の停止をしないとは約束できない』とするなど、従来と少し答弁のトーンが違う」という旨の指摘がなされた[178]。


平岡の答弁

2010年の民主党の平岡による答弁は以下のようであった[179]。


放送事業者が番組準則に違反した場合には、総務大臣は、業務停止命令、今回の新放送法の第174条又は電波法第76条に基づく運用停止命令を行うことができるというふうに考えているところでありますけれども、これも従来から御答弁申し上げておりますように、業務停止命令につきましては、法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであることに加えまして、その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといったような極めて限定的な状況にのみ行うこととしているところであり、 極めて慎重な配慮の下運用すべきものであるというふうに従来から取り扱ってきているものでありまして、これまでこの業務停止命令を放送法違反を理由として適用した実績は一度もないというような状況になっているところであります。


高市の答弁

一方、2016年の高市による答弁は以下のようであった[180]。


 どんなに放送事業者が極端なことをしても、仮に、それに対して改善をしていただきたいという要請、あくまでも行政指導というのは要請になりますけれども、そういったことをしたとしても全く改善されない、公共の電波を使って、全く改善されない、繰り返されるという場合に、全くそれに対して何の対応もしないということをここでお約束するわけにはまいりません。


 ほぼ、そこまで極端な、電波の停止に至るような対応を放送局がされるとも考えておりませんけれども、法律というのは、やはり法秩序というものをしっかりと守る、違反した場合には罰則規定も用意されていることによって実効性を担保すると考えておりますので、全く将来にわたってそれがあり得ないということは断言できません。


 先ほどの、電波の停止は絶対しない、私のときにするとは思いませんけれども、ただ、将来にわたって、よっぽど極端な例、放送法の、それも法規範性があるというものについて全く遵守しない、何度行政の方から要請をしても全く遵守しないという場合に、その可能性が全くないとは言えません。やはり放送法というものをしっかりと機能させるために、電波法においてそのようなことも担保されているということでございます。実際にそれが使われるか使われないかは、事実に照らして、そのときの大臣が判断をするということになるかと思います。


世論調査

当時の世論調査の結果は次のようであった。


「電波停止」発言に関する世論調査(日本テレビ)[181]

「電波停止」発言に関する世論調査(ANN)[182]

電波停止の是非に関する世論調査(朝日新聞)[183]

2016年の釈明

高市は、同年3月17日の衆議院総務委員会で、「放送は大きな影響力があるので規律が必要」という解釈を示し、「特に無線の放送は、有限希少な国民的資源である電波の一定の帯域を排他的かつ独占的に占有しているということから、(中略)公共の福祉に適合していることを確保するための規律を受けることとされています。これは放送法第1条にも書かれております」と述べた[184]。


しかし、この発言に対する反論として、「権力の介入の防止を目的とする放送法第1条において、規律されるのは政府であって、放送局ではない[184]」ため、「高市大臣の『放送法第一条にも書かれております』という『公共の福祉に適合していることを確保するための規律を受ける』という答弁は明らかに誤っている[184]」と指摘された。


2017年の釈明

翌2017年、高市は自身の答弁について記者から質問された際に、「『放送法第4条第1項に違反した放送が行われた場合に、その放送事業者に対し、放送法第174条の業務停止命令や電波法第76条の無線局の運用停止命令に関する規定が適用される可能性があるのか』という質問だったので、法律の枠組みと解釈について、民主党政権下も含めて、歴代の大臣、副大臣と同様の内容の答弁をしております」と回答した[185]。


諸外国の例示

高市はさらに、「諸外国には日本の番組準則と同様の規律がある国の方が多く、その中には日本には無い番組規律違反に対する刑事罰や行政庁による罰金が設けられている」と紹介し、「日本の放送法とその解釈は二度の政権交代前と同様である」と説明した[185]。


しかし、これに対しても反論として、「アメリカ合衆国やイギリス、フランス、ドイツにおける放送規制は、日本とは異なり、政府ではなく政府から独立した機関によって行われる。また、日本のように、本来は政府の関与を防ぐために制定された放送法と、放送の免許を規定した電波法との両者を、同一の政府機関が運用していること自体が、民主主義国家では考えられないこと」と指摘された[186]。


米国人権報告書による懸念

アメリカ合衆国国務省は2017年3月3日に公表した人権報告書(「世界各国の人権状況に関する2016年版の年次報告書」)で、日本では「報道の自由に関する懸念がある」として、高市の「電波停止」発言を一例に挙げた[187]。


同報告書は、「総務大臣の高市早苗は、『政治的に偏向している』と判断された放送局を政府が閉鎖する権利があることを、そのような措置をとる計画や意図があることを否定しながらも、繰り返し述べた」と記述している[188]。


同報告書によれば、国際連合の「意見と表現の自由の権利に関する特別報告者」は、2016年4月に日本を訪問した後、「報道の独立性は深刻な脅威に直面している」と報告した。その報告者は分析の理由として、「脆弱な法的保護、新たな特定秘密法、政府の執拗な圧力、記者クラブ制度」を挙げたという[188]。


高市は3月7日の衆議院総務委員会で、「人権報告書の記述は誤解に基づくもので、外務省を通じて米国に説明していく」と述べた[189]。


2019年の釈明

発言から3年後の2019年9月17日、高市はさらに釈明し、「電波を止めるといった発言をしたことはない」と述べた[190]。


高市は「放送法全体に違反した場合、電波法で対応が定められている」と説明した上で、当時は「現職の大臣として、『(法律違反に対して)電波法が適用されることは未来永劫ありえない』と答弁することはできなかった(ため、当該の答弁を行った)」という意図であったと主張した[190]。


また、高市はNHKに対して「受信料によって支えられていることを十分に自覚し、業務の合理化、効率化に向けてはたゆまぬ努力をお願いしたい」と語った[190]


「福島原発事故で死者なし」発言

2013年6月17日、東日本大震災の影響で停止していた原子力発電所について高市は再び稼働させるべきと主張し、「福島第一原子力発電所事故で死亡者が出ている状況ではない。」などと述べた。兵庫県神戸市での講演会で、自由民主党政務調査会会長としての発言であった[191]。


批判

同発言について与野党から批判が広がった[191][192]。


与党から

与党内でも、自民党の福島県連の幹事長であった平井孝朗は「たいへん遺憾な発言だ」と述べた[191]。


同党の参議院幹事長であった溝手顕正は「この期に及んで余計なことを言わなくてもよい」と批判した[191]。


公明党代表の山口那津男は「今なお故郷に帰れない方々が大勢いる中、被災者に共感を持たなければならない。被災者の苦労や苦痛をいかに解消するかに全力を挙げなければならない」と苦言を呈した[191]。


野党から

野党では、民主党幹事長の細野豪志が、福島県内で大勢の震災関連死者が出ていることを挙げて「この数字の重さを理解できない人は政権を担う資格がない」と厳しく批判した[191]。


みんなの党幹事長の江田憲司も「深刻な原発事故への影響の認識が甚だ薄い。政治家を辞めるべきだ」と述べた[191]。


みどりの風代表の谷岡郁子は「事故を小さく見せるための無理な考えだ」と発言の撤回を求めた[191]。


釈明

翌18日に高市は発言について釈明し、「誤解されたなら、しゃべり方が下手だったのかもしれない。被ばくが直接の原因でなくても、体調を崩し亡くなられ、なりわいを失い自ら命を絶たれた方がいる。(死亡者がいないから)再稼働するなんて考え方は、そもそも持っていない」などと述べた[191]。


しかし、その後も自民党福島県連合会や同党参議院議員の佐藤正久[注釈 19]、自民党員からも「不謹慎だ」と批判された。


同党福島県連合会は自民党本部へ抗議文を提出し、「高市氏の発言は、福島県の現状認識に乏しく、亡くなられた方々、避難されている方々をはじめ、県民への配慮が全くない。不適切で、強い憤りを感じる」、「原発事故の影響による過酷な避難で亡くなられた方、精神的に追い詰められて自殺された方など、1,400人を超える福島第一原子力発電所事故に伴う災害関連死が認定されている」と批判した[193]。


謝罪と撤回

これを受けて高市は「福島の皆さんが辛い思いをされ、怒りを持ったとしたら、申し訳ないことだった。お詫び申し上げる」と謝罪し、「私が申し上げたエネルギー政策の全ての部分を撤回する」と述べた[194]


朝日新聞による「吉田調書誤報問題」に対する見解

東京電力福島第一原子力発電所事故で政府の事故調査・検証委員会がまとめた吉田昌郎元所長の「聴取結果書(調書)」について、朝日新聞社が2014年5月に報じた記事を撤回し、謝罪した[195]。


この問題について、高市は同年9月12日の閣議後会見で「誤った記事であれば、それを紙面等で訂正していかれることだろうと思うのでそれを期待している」と述べた。また、朝日新聞社が第三者委員会を設置し、過去の報道を検証する意向を示したことについては、「それぞれの報道機関が判断されることだろう」と話した[195]。


「同性カップルの集計・発表を求める要望書」に対する見解

背景

日本の国勢調査では、世帯主が異性の世帯員を「配偶者」と答えた場合、正式な夫婦でなく内縁や事実婚という状態でも回答通り「配偶者」として集計される[196]。


一方、同性の世帯員を「配偶者」と答えた場合、集計過程において別の回答選択肢である「他の親族(おじ、おば、いとこなど)」へと回答が変更される。結果として同性カップルは婚姻関係として数えられず、集計上に表れない[196]。


要望と拒否

この仕様について、2020年8月25日に9つのLGBT団体が連名で、国勢調査を管轄する総務大臣であった高市に「 同性カップルの集計・発表を求める要望書」を提出した[197]。


しかし、高市は同日「我が国の婚姻制度は異性間に現在は限定されており、国勢調査における婚姻関係も異性間に限定される」と述べ、同要望を拒否した[131]。


司法の判断

なお、婚姻に準じた「事実婚」が同性カップルで成立するか否かが争点であった損害賠償請求訴訟で、2019年9月の一審・宇都宮地裁真岡支部は、婚姻を「両性の合意のみに基づいて成立」とする憲法24条は「制定当時は同性婚が想定されていなかったにすぎず、同性婚を否定する趣旨とまでは解されない」と指摘し、「同性カップルでも一定の法的保護を与える必要性は高い」と判決を出した[198]。2020年3月の二審・東京高裁判決は「社会観念上、夫婦と同様であると認められる関係をつくろうとしていた。婚姻に準じる関係だった」と認め、民法上の権利侵害については法的保護の対象になるとした[198]。最高裁判所は2021年3月、同性カップルでも法的保護の対象だと判断した一、二審判決を是認し、「同性カップルでも法的保護の対象である」と判断した[198]。


同性どうしの結婚が認められないのは憲法で保障された「婚姻の自由」や「平等原則」に反するとして、北海道の同性カップル3組6人が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌地裁は2021年3月、同性婚が認められないことは「法の下の平等」を定めた憲法14条に違反すると認定し、「性的指向は人の意思で選択、変更できない。同性愛者が婚姻によって生じる法的効果の一部すら受けられないのは、立法府の裁量の範囲を超えた差別的な扱いだ」と指摘した[199]。


選択的夫婦別姓に対する見解

高市は選択的夫婦別姓へ否定的な立場を堅持しており、同制度へ反対する議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表を2021年時点で務めていた[57]。


2021年9月のインタビューで高市は明確に別姓へ反対し、現行の強制的夫婦同姓へ賛同して「日本は歴史上、『家族』を社会の基礎単位としてきた。夫婦親子同姓という戸籍上のファミリーネームは明治時代以来の公序良俗として確立し、社会に定着している。今後も守るべきだ」と語った[57]。


「旧姓の通称利用を拡大すればよい」

また、別姓賛成派の主張として「結婚後に夫婦の一方が必ず姓を変更しなければならないことで、仕事上の連続性がなくなり不利益がある。自分が自分でなくなる気がする」というものがある[57]。


これに対して高市は次のように反論した[57]。


戸籍の姓と旧姓とを併記することが、既にマイナンバーカードやパスポート、住民票などのほか、弁護士など多くの国家資格で認められており、旧姓を通称として使用できる企業も増えている[57]。

姓を変えることで不利益があるのなら、家族の一体感を守るためにも夫婦同姓を堅持したうえで、旧姓を通称として使用できる場面を拡大して不利益をなくすことが現実的だ[57]。

「日本には日本の制度がある」

ほかに、別姓賛成派の主張として「国際社会で夫婦同姓を法律で義務付けている国は、日本以外に見当たらない」という意見もあるとされる[57]。


これに対して高市は次のように反論した[57]。


モンゴルのように姓がない国もあれば、かなり長いミドルネームを付ける事例もある[57]。

家族をめぐる諸制度は、各国の歴史や文化に根差すものだ。あくまで日本は日本だ[57]。

「家族の根幹が損なわれる」

さらに高市は、選択的夫婦別姓を認めることで現行の戸籍制度が影響を受けることを懸念し、次のように述べた[57]。


(現行制度のもとで)結婚すると、夫婦やその間に生まれた子供は同じ戸籍に登載される。これにより姓は『家族の名称』という意味を持つ[57]。

しかし、別姓になれば姓は単なる『個人の名称』になる。たとえ夫婦が同姓か別姓かを選択する制度にしても、別姓派のように家族共通の呼称を持たない存在があることを認める以上、結局は制度としての家族の呼称は廃止せざるを得なくなるだろう。この問題は家族の根幹に関わる[57]。

また、別姓を認めると、子供が夫と妻のどちらの姓を名乗るのか、どの時点で決めるかといった問題も生じかねない[57]。

子供の姓と離婚について

上記発言に関連して、高市は2020年12月にも同姓制度を擁護する趣旨で「父母の氏が違う場合、『子どもに対して良くない影響がある』と回答した者が62.8%にのぼる」と語った[200]。


これに対して、ジャーナリストの佐々木俊尚が次のように質問した[200]。


では、高市は旧姓の通称使用にも反対しなければならないのではないか。単に戸籍という書類上の姓が異なることのみよりも、(旧姓の通称利用によって)日常生活で両親が異なる姓を使うことのほうが、子どもへの影響が大きいはずではないか[200]。

さらに、その論理だと、離婚もしてはならない(両親の姓が変わるため)ということになるのではないか[200]。

しかし、高市はこれに対して明白な回答を行わなかったと佐々木は述べている[200]。


なお、2007年に高市は自身のホームページ上で血は繋がらない子ども(夫の連れ子)がいることを公表している[201]が、2017年には夫であった山本拓と離婚した[33]。


「日本国旗損壊罪」新設をめぐる発言

2021年1月27日、高市は自身のホームページ内コラム「日本国旗損壊等の罪を新設する『刑法改正案』の再提出に向けて」[202]において、次のように記した[203][204]。


日本が、諸外国の法制度と正反対に、自国の国旗損壊等」については刑罰規定が無く、「外国の国旗損壊等』については刑罰を設けている理由ですが、奥野信亮法務部会長が法務省刑事局に確認して下さったところ、『敗戦国なので、このような形になり、そのままになっている」ということだったそうです。


否定と撤回

しかし、刑事局参事官の栗木傑は毎日新聞の取材に対し「局としてそのような回答をした事実はない」と否定した。また当の奥野も「法務省幹部からそう聞いたと記憶しているが、間違っているかもしれない」と発言した[204]。


同紙の取材後、高市は何らの釈明なく、当該部分を削除した[204]。


備考

なお、自国の国旗を損壊することに対する処罰を行う国家としては、一党独裁政治で言論統制を行う中華人民共和国などがある[205]。


また、高市のいう「敗戦国」に対する「戦勝国」であるアメリカ合衆国には、米国旗を損壊することを禁止する「国旗保護法」(1968年制定)が存在はするものの、同法は1989年と1990年の2度にわたり連邦最高裁判所において憲法違反と判定され、事実上無効化されている[206]。


※自国の国旗を毀損する法律は我が国には無いが、「外国国章損壊罪」は存在する。この為、「外国の国旗の損壊罪は存在するのに自国の国旗の損壊罪がないのが不思議だ」という意見もある[207]


人物

思想・信条

座右の銘は「高い志 広い眼 深い心」[7]。

尊敬する人物は松下幸之助と両親[7]。

目標とする政治家は元英国首相のマーガレット・サッチャーで、対面したことがある[7]。

大切にしているものは「国家観」と「信念」[7]。

家族・親族

元夫は自民党国会議員の山本拓(2004年 - 2017年)。山本は調理師資格を持ち、夫婦の食事を作った[33]。2006年の第1次安倍内閣では、妻の高市が大臣(特命大臣)、夫の山本が副大臣(農林水産副大臣)であった[33]。山本との間に子供はいないが、養子を迎えている。

趣味・嗜好

好物はコロッケ、たらこご飯、豚まん[7]。

喫煙者である[208]。

ソムリエ・ドヌールの肩書を持つ[7]。

趣味はスキューバダイビング、楽器演奏、野球や武道などの観戦[7]。

モータースポーツ

愛車は学生時代には二輪車、その後に中古のトヨタ・セリカXXと乗り継ぎ、1988年にトヨタ・スープラ(A70型)を新車で購入。2010年まで使用していた[209]。バイクで最も長く乗った愛車はカワサキ・Z400GP。与野党有志によるバイカーズ議連にも参加している[210]。

バンド

バンドの担当はドラム[211]。中学の頃から議員初当選後も続けており、当時はいつもスティックを持ち歩いていた。「一組だと30分も叩いていると、折れてしまうことがあるため、いつも4組のスティックをカバンの中にひそませていた」という程である[212]。

ヘヴィメタルに造詣があり、デーモン閣下のファンを公言している。2017年には電波法の啓発イメージキャラクターにデーモンを起用した[213]。

阪神タイガース

プロ野球・阪神タイガースの熱烈なファン(阪神ファン)であり、2003年1月には同じく阪神ファンを公言する著名人3人と座談会を行って「猛虎愛」を語った[注釈 20]。その相手は、自民党へ批判的なジャーナリストであり後に高市を攻撃して論戦を行う鳥越俊太郎や、後に自民党を離党して東京都知事になる小池百合子、そしてイデオロギーが大きく異なり後に社会民主党の党首になる福島瑞穂であった[214]。同会では小池が「阪神監督の星野仙一のサインがほしい」と発言し、高市が「ミーハー」と指摘した。また鳥越が「巨人は自民党のような存在[注釈 21]」と例え、高市へ「おたくの4番打者(当時の自民党総裁かつ首相である小泉純一郎)、パフォーマンスはあるけど、打率が上がってないんじゃないか」と指摘するなど、和気藹々としたものであった[214]。

2021年自由民主党総裁選挙

2021年自民党総裁選のさなか、コロナ禍で苦境にある音楽事業者への支援拡充の要望をデーモン閣下ら日本音楽事業者協会から高市にあった。しかしその後、大ファンであるX JAPANのYOSHIKIが河野太郎氏に応援メッセージを送ったことを知り、「携帯電話の待ち受けにしているぐらい好きなのに。もうショック」と安倍晋三に愚痴ったという[215]。

所属団体・議員連盟

障害者支援議員連盟(会長)[7]

『絆』を紡ぐ会(共同代表)[7][注釈 22]

婚姻前の氏の通称使用拡大・周知を促進する議員連盟(会長代行)[7]

自民党たばこ議員連盟(副会長)[7][68][216][217]

創生「日本」(副会長)[7]

皇室の伝統を守る会(副会長)[7]

公共放送のあり方について考える議員の会(副会長)[7]

日本会議国会議員懇談会(副会長)[7]

ネット社会健全化推進議員連盟(副会長)[7]

保守団結の会(顧問)[7]

地下式原子力発電所政策推進議員連盟(顧問)[7]

4月28日を主権回復記念日にする議員連盟(幹事)

神道政治連盟国会議員懇談会(幹事)[7]

日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会(幹事長代理)

天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟(事務局次長)

北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟(拉致議連)

日本ウイグル国会議員連盟

再チャレンジ支援議員連盟

みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会

平和を願い真の国益を考え靖国神社参拝を支持する若手国会議員の会

トラック輸送振興議員連盟

日本の水源林を守る議員勉強会

TPP交渉における国益を守り抜く会

日本の尊厳と国益を護る会

他多数[7]


著書

アズ・ア・タックスペイヤー[218] ―政治家よ、こちらに顔を向けなさい― 祥伝社(ノン・ブック)、1989年[7]

アメリカの代議士たち ―米国連邦議会の素顔― 主婦の友社、1990年[7]

アメリカ大統領の権力のすべて ベストセラーズ、1992年[7]

30歳のバースディ ―その朝、おんなの何かが変わる― 大和出版、1992年[7]

高市早苗のぶっとび永田町日記 サンドケー出版局、1995年[7]

サッチャーからの提言・新しい日本(「松下政経塾出身政治家の会」として執筆に参加)PHP研究所、1997年[7]

歴史教科書への疑問―若手国会議員による歴史教科書問題の総括 展転社、1997年[7]

21世紀日本の繁栄譜(「松下政経塾出身国会議員の会」として執筆に参加)PHP研究所、2000年[7]

小沢民主党は信用できるか(編著)PHP研究所、2008年[7]

サイバー攻撃から暮らしを守れ!(編著)PHP研究所、2018年[7]

美しく、強く、成長する国へ。 ―私の「日本経済強靭化計画」― ワック、2021年[7]



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