旧統一教会問題が取り沙汰されて以降、国会、メディアなど様々な場面でその関係を追及されてきた山際大臣が、11月24日夜、とうとう辞任。
記事以下のとおり。
辞任の理由として、外部からの指摘に説明が追い付かなくなり(後追いになる形になり)政権に迷惑をかけないよう辞任とのこと。
旧統一教会との関係が相次いで明らかになっている山際経済再生担当大臣は、24日夜、岸田総理大臣に対し、政権運営に迷惑をかけたくないとして、辞表を提出し辞任しました。事実上の更迭とみられます。
山際経済再生担当大臣は、24日夜、総理大臣官邸で岸田総理大臣と短時間会談しました。
このあと山際氏は記者団に、「岸田総理大臣に辞表を提出してきた。国会で予算委員会が一巡し、これからの国会審議を考えた時に、さわらないようにするべきではないかと考えてきた。このタイミングを逃すわけにいかないと思った」と述べました。
そのうえで、「資料を1年ごとに片づけるということをやってきたため、さまざまな過去の出来事を調べられない状況にあった。したがって、外部から指摘されることによって説明するという後追いの説明の形になり、それが政権に対し、迷惑をかけることになった」と述べました。
岸田総理大臣は経済対策や補正予算案、それに旧統一教会の被害者救済などに優先して取り組みたいとして、辞表を受理し、山際大臣は、辞任しました。
今般の国会では旧統一教会の問題や国葬関連がやり玉にあがり野党が与党を追及しているが、これとは別に現総務大臣の寺田稔君の脱税についても話題となっている。
山際大臣は当初、旧統一教会についてよく知らないと説明していました。
その後、イベントにも複数出席し、会費まで支払っていたことが判明。
極めつけは教団トップのハン・ハクチャ総裁と横並びの写真が発掘され、これに基づく追及がトドメになったことは間違いないでしょう。
山際大臣 辞任の経緯
山際大臣は、去年10月の岸田内閣発足に伴い経済再生担当大臣として初入閣し政権が掲げる重要政策「新しい資本主義」や新型コロナ対策などを担ってきました。
岸田総理大臣は、ことし8月に内閣改造を行うにあたって、すべての閣僚に対し、旧統一教会との関係を点検して厳正な見直しを行うよう指示し、山際大臣は留任しました。
この際、山際大臣は、旧統一教会との関係を点検した結果として、過去に関連団体に会費を支払っていたことや、関連団体のイベントに出席していたことを明らかにしました。
そして、自民党が所属の国会議員を対象に行った調査の結果、関連団体の会合に出席してあいさつなどを行っていたと追加で公表されました。
しかしその後も山際大臣は◇教会主催の会合に出席していたことや、◇会合でハン・ハクチャ総裁と会い、集合写真を撮っていたことなど「記憶にない」としてきていた関係が外部の指摘で相次いで明らかになりました。
そのたびに山際大臣は「覚えていない上、事務所にも資料がなく、事前に確認できなかった」と釈明し、陳謝に追われました。こうした状況を受けて野党側は、山際大臣は閣僚の資質はないなどとして辞任を求めて追及を強めていたほか、与党の公明党からも「説明が明快ではない」などといった指摘が出されていました。
山際大臣と旧統一教会
山際経済再生担当大臣をめぐっては、旧統一教会やその関連団体との関わりが次々と明らかになっていました。
ことし8月には、自身が代表を務める政治団体が平成25年3月に関連団体の「平和大使協議会」に会費として1万円を支出していたことがわかりました。
その後、旧統一教会や関連団体が主催するイベントや会合に参加していたことも明らかになり、
▽平成28年には関連団体がネパールで開いたイベントに、
▽平成23年にはナイジェリアで行われた関連団体の会合にそれぞれ出席していました。
さらに山際大臣は10月、
▽4年前の平成30年に旧統一教会が主催した都内の会合で、旧統一教会のハン・ハクチャ総裁に会ったことや、
▽3年前の令和元年に、名古屋市のホテルでハン・ハクチャ総裁に会い、集合写真を撮影していたことを明らかにしていました。
山際大臣辞任の後、後任として選出されたのが後藤元厚労大臣です。
彼は東大卒、お父さんは伊藤忠商事元専務・ファミリーマート元会長で、おじいさんは臨済宗妙心寺派花園会の会長の超サラブレッド。
選挙運動時に後藤君の陣営の運動員が逮捕されたり、厚労大臣時に利害関係者から数百万の政治資金を受け取るなど不祥事はあるが、他と比べると比較的クリーンといえる。
参議院本会議では冒頭、後任に起用された後藤経済再生担当大臣が「物価高や円安への対応、構造的な賃上げなどを重点分野として思い切った対策を取りまとめ、全力で国民の暮らしを守り、わが国の未来を切り開いていく」と述べました。
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