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外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)



2023年1月11日、ワシントンにて外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)が行われたが朝日の記事以下のとおり。


 訪米中の浜田靖一防衛相は米国防総省で12日午後(日本時間13日午前)、オースティン国防長官と会談した。日本が保有を決めた「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の効果的な運用に向け、攻撃対象の特定や情報収集をめぐる連携などについて議論を深めることで一致した。
 11日にワシントンで開かれた外交・防衛担当閣僚による「日米安全保障協議委員会(2プラス2)」では、敵基地攻撃能力をめぐる協力を深化させると決定。浜田氏とオースティン氏は具体的な役割や任務の分担について協議を進めることを確認した。
 在日米軍をめぐっては、米軍が沖縄の海兵隊を改編し、離島防衛に即応する「海兵沿岸連隊(MLR)」を設置することを含め、地域社会の理解と協力が重要との認識で一致。両氏は防衛装備品の共同研究・開発をめぐる手続きの簡素化、安定供給に関する覚書などにも署名した。
 浜田氏は会談後、記者団に「新たな防衛戦略を実行に移す上で、米国との協力はますます重要になる」と語った。(ワシントン=田嶋慶彦)

今回の日米「2+2」の成果は大きく4点、①日米安保第5条の宇宙への適用、②沖縄へ海兵沿岸連隊(MLR:Marine Littoral Regiment)、③反撃能力(役割)、④拡大抑止に関する議論だ。


以下簡単に説明する。


①日米安保第5条の宇宙への適用

こちらは既に2021年にNATOが採用したものと同様、宇宙空間にも日米安保第5条を適用するということである。実際の声明では以下のとおり記載されている。


(外務省HP)

閣僚は、宇宙への、宇宙からの又は宇宙における攻撃が、同盟の安全に対する明確な挑戦 であると考え、一定の場合には、当該攻撃が、日米安全保障条約第5条の発動につながることがあり得ることを確認した。

要点は「宇宙への、宇宙からの、又は宇宙における攻撃」である。

2019年5月の日米「2+2」では既にサイバー攻撃が一定の場合、同じく第5条発動に繋がることを確認している。

これが具体的に何を指すかは、米国の基準である「原発のメルトダウン」「ダムの決壊」等を挙げている。


では今回の宇宙での5条適用は何を意味するのか。


まず、NHKを含め多くのマスコミに「宇宙空間にも施政権があるとし、これに対する攻撃に第5条が適用される」といった論調があるが、間違いであることを指摘したい。


なぜならば、日本含め127ヶ国が批准または署名している宇宙条約第2条に明確に違反しているからだ。


(宇宙条約 第2条)

「天体を含む宇宙空間に対しては、いずれの国家も領有権を主張することはできない。」


マスコミが勘違いした理由は、

日米安保条約第5条は施政権のある地域に適用されると明記

→宇宙空間への第5条適用≒施政権の間接推論だろう。


先ず、演繹的に実際の物事を考えると現在宇宙空間にあるもので人類が運用しているものは人工衛星のみである。(国際宇宙ステーションもあるが日本は持っていないので省略)


即ち、衛星に何らかの攻撃的影響を与えることが第5条適用に至る武力攻撃を構成する可能性があるということである。


つまり、現時点では「宇宙への、宇宙からの又は宇宙における」というのは「人工衛星への、人工衛星の、人工衛星における」と読み替えることが出来る。(日本語がおかしいのはご容赦を)


その上で宇宙条約第2条を遵守しつつ、日米安保条約第5条を適用するには如何なるロジックが必要かというと、人工衛星に対する攻撃が施政下にある地域への攻撃になり得るということである。決して、宇宙空間または宇宙空間にある物体に施政権が及ぶということではない。


政府が如何に説明するかは分からないが、一例を言えば

「人工衛星が他国からの攻撃を受けて、これによりGPSが使用不能になり旅客機が墜落し多くの日本人が死亡」

「人工衛星が落とされ、東京の街中に墜落して多くの日本人が死亡」などだ。


宇宙における攻撃が結果として施政下の領域に攻撃的影響を及ぼす。つまり、衛星への攻撃を行うこと自体が日米安保第5条の適用の対象になり得るということである。



②沖縄へ海兵沿岸連隊(MLR:Marine Littoral Regiment)

海兵沿岸連隊の創設が何を意味するか。

まず、米海兵隊は2018年以降、バーガー海兵隊総司令官のイニシアティブの下「遠征前方基地作戦(EABO:Expeditionary Advanced Base Operation)」を推進。


もともと、海兵隊は沿岸部や島嶼部などに海岸保を構築するため、相手の準備した地域に突撃して速度とパワーで突進するような作戦を行ってきたが、中国の接近阻止・領域拒否(A2/AD)に対抗するため戦い方を一変させてきている。


具体的には競争段階(Competition)から存在感の小さい部隊をA2ADの脅威内の島嶼部などに展開し、無人機や有人機のISR(Intelligence, Surveillance and Reconnaissance)と連携して、相手の艦艇の接近を阻止しつつ、分散・機動して統合軍や海軍作戦を支援する。


このため、海兵隊はもともと持っていた戦車や重榴弾砲の大部分を撤廃し、長射程ミサイルや無人機、小型の機動性のある船舶を新しく装備するなど編成を大きく変えている。


このコンセプトを実現する基軸となる部隊が今回2025年までに沖縄に創設するというMLRであり、有事になれば当該部隊が南西に展開し作戦するものと考えられる。


部隊の創設というとあたかも在日米軍が増えるように思えるが今回は違う。

第12MLRはあくまで既に沖縄にいる第12海兵連隊をリフォームするのみで人員数は変わらない。


最も大きな変化は長射程ミサイルNMESIS(Naval Marine Ship Interdiction System)の配備だろう。NMESISは昨年の時点でC-17輸送機による輸送や無人運用が試されており、並行的にミサイルの射程を延伸している。将来的には500km以上、最大1000マイルになるだろう(海兵隊副司令官が今年の海兵隊の総会で説明)。


同時に認識を共有した、自衛隊と米軍の南西へのアクセスもその一環。

現在米軍は沖縄にしか展開していない一方で、自衛隊は与那国、宮古、石垣、馬毛島などに展開しつつある。既に2021年、2022年は日米の共同実動演習が実施されているがこれを拡大し、場合によっては物資の集積を逐次行っていくということだろう。



③反撃能力(役割)

反撃能力は国会での議論の延長だ。


従来から日本政府は日米安全保障条約や自衛隊の能力、専守防衛を念頭に「米軍は矛、自衛隊は盾の役割」としてきた。


即ち、自衛隊は防御的な能力しか持っていないから敵基地の打撃などは米軍にお願いするというスタンスである。


昨年の国家安全保障戦略の改定で「反撃能力」をもつことが明記され、ある意味で攻撃的な能力を持つことを国家として決心した。

(実態としてはトマホークなどの超射程ミサイルを購入し、攻撃を阻止する能力。)


ウクライナのロシアによるミサイル攻撃の後の景況をみていただければ分かるが、通常ミサイル1発1発の破壊力は小さい。個人的にこれをもって「矛」になるかといえばネガティブでもともとゼロだったものが0.1とか0.2になるだけだろう。


しかしながら、中国の脅威が増大しその軍事力が加速度的に強化されていく中、日本独自の攻撃力の保有は抑止や米国の負担軽減にもつながる。米国としても基本的にはウェルカムであるはず。